16日の土曜日、シネマヴェーラで2本みました。
最初がルネ・クレールの『巴里の屋根の下』(1930)。
”Sous les toits de Paris” 、英語題は”Under the Roofs of Paris”。
ルネ・クレールには『奥様は魔女』 - "I married a Witch" (1942) ていうのがあって、それはすごくすき。
これは彼の最初のトーキーで、少ない台詞と、他方で音の使い方がなかなかおもしろかった。
ルーマニアから来たちょっとかわいい町娘さんがいて、通りで歌の詞集みたいのを売っている(街角でみんなでわーわー歌うたって、その横で歌の歌詞を売るの)青年が彼女のことをひとめぼれして、部屋を締めだされちゃった彼女を泊めてあげたりして仲良くなるんだけど、けっきょく彼女は彼の友達のほうにいっちゃうの。 かわいそうにー。 ていうお話し。
彼女をアパートに泊めてあげるとき、彼女が服を少しぬいでベッドに横になったもんだからちょっとだけキスしようと近寄ったら猫みたいにしゃーっ、て威嚇されて指一本触れさせてくれないの。 ほんとにかわいそうなアルバート。
で、ああどいつもこいつも巴里の屋根の下なんだわ、ってしみじみするの。
次がジョージ・マーシャルの『ポーリンの冒険』(1947)。 "The Perils of Pauline"。
これはおもしろかったー。
『ポーリンの冒険』は、(淀川長治さんのお気に入り)パール・ホワイトの伝記を元にした映画で、縫製工場で働くポーリンが、工場主にケツまくって劇団に入ったものの、元気はあるけど大根でどうしようもなくて、ひょんなことから映画の仕事をやるようになって、そしたら持ち前の度胸で危険な仕事をがんがんやるようになって人気が出るんだけど、彼(劇団の座長)はこんな危険物につきあってられん、って別れるの。 こうして、恋も仕事も絶体絶命!になるんだけど、最後はけっきょく。
最後のほうの「落ち」(これがすごいの。あんぐり)からラストまで - ポーリンのどじと大根が炸裂するも結局それがすべてを救うことになる - はほんとに素敵で、元気をもらえる映画っていうのはこういうのだとおもう。
他方、彼女があそこでしんじゃってたら、関係者全員「このおおばか… 」ってあきれるんだろうな、って。
ポーリンを演じるベティ・ハットンさんは、『アニーよ銃をとれ』(1950)のアニーのひとで、とにかくでっかい声とどたばたダイナミックな造作と演技が文句なしによいの。 恋も仕事もがんばるあたし、の物語であると同時に、バックステージもので、更にミュージカルでもあって、てんこもりの割にはさらさらあっさり見せてしまうところがおみごと。
テクニカラーもほんとにきれいでねえ。 よかったよかった。
4.26.2011
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